妊婦さんの便秘にセンナ茶を飲むのは危険です!飲まないで!
慢性的な便秘にとてもよく効くことで評判のセンナ茶ですが、妊婦さんが飲むことは危険が伴います。
センナ茶は海外では効用のあるハーブティーとして古くから愛飲されていますと言ってすすめる薬局もあるようですが、ハーブの中には薬効成分が含まれていて、危険な副作用があるものもあります。
特に妊婦さんにとっては危険が高い薬のひとつが下剤です。なぜセンナ茶が妊婦さんにとって危険なのか、まとめてみました。
センナって何?
センナとはアフリカ原産の植物で、マメ科のハーブです。センノシドという成分が含まれていて、これが腸を刺激して排便を促してくれます。
センシノドには便の水分量を高め、便をやわらかくする効果もあり、このふたつの作用から強い下剤効果があり、世界中で愛用されている便秘薬です。
古くは古代エジプト時代から利用されていたとも伝えられる、歴史のあるハーブでもあります。デトックス効果の高い健康茶として近ごろ注目を集めていますが、漢方薬局では便秘薬としてかなり昔から取り扱われていました。
センナの副作用にはどんな症状があるの?
腸を強制的に動かす効果があるため、強い腹痛を感じたり、便の水分量を高める作用があることから、下痢になりやすいなどの副作用があります。他にも、長期的に使用していると、腸の動きが鈍くなったり、腸が黒ずんでしまうといった悪影響があります。
センナに限ったことではなく、どんな便秘薬でも長期間継続して使用するのは避けた方がいいと言われています。その理由は、便秘薬がないと自力で排便ができなくなってしまうからです。
便秘に苦しんで、便秘を解消するために便秘薬を飲み始めたのに、常用したことでより深刻な便秘症に陥ってしまうのです。
センナ茶は医薬品?
このように強い薬効成分が含まれているにもかかわらず、センナ茶は健康茶、つまり食品として販売されています。
その理由は、センナの中でも特に強い効果のある実と葉の部分が医薬品として取り扱われている一方、茎の部分は医薬品として取り扱われておらず、センナ茶に含まれるセンナの成分は茎の部分だからです。
あまりに頑固な便秘体質だった場合、センナ茶ではあまり便秘に効果がなかったと感じる方がいるのはこのためです。とはいえ、センナの成分と作用がどのようなものか、ただしく知っておくことが大切です。
なぜ下剤や便秘薬は妊婦にとって危険なのか?
妊婦さんは飲んではいけない、飲むと危険を伴うと言われるお薬や成分がいくつかありますが、センナに含まれるセンシノドもそのひとつです。ですから、センシノドを含む便秘薬やお茶も危険を伴います。
なぜ危険かというと、センシノドは腸のぜんどう運動を高めることで腸に直接刺激を与え、排便を促していますが、同様に子宮の収縮運動を促してしまう可能性があるからです。
その結果、特に胎児への悪影響はありませんが、早産や流産になってしまう危険性が高まります。他にも便秘に効果がある安心して使用できるものはたくさんありますから危険なものは絶対に使用しないようにしましょう。
厚生労働省:医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会の第5回資料でも、センナ、センノシドは
原則禁忌:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
とされています。
妊婦が便秘茶、健康茶を選ぶときに気をつけるポイント
妊娠中の便秘解消にお茶を利用したいのなら、上記↑画像のすっきり贅沢抹茶がおすすめです。このお茶には食物繊維と乳酸菌、オリゴ糖という便秘にいい働きのあるものがたっぷりと含まれています。
また、便秘解消というよりも普通に健康茶として飲むのなら杜仲茶もいいですね。→ 杜仲茶は便秘がちな妊婦こそ飲みたい効果がたっぷり
「センナ茶」のように健康茶として販売されていると、薬ではないから大丈夫だと勘違いしてしまう方もいますが、「○○に効果がある!」というように効用をキャッチコピーにしているお茶には注意が必要です。
便秘に効果があるなら下剤の成分、安眠に効果があるなら睡眠薬の成分が含まれている可能性があります。たとえそれがハーブなど植物性の成分であっても、センナのように妊婦さんにとっては危険を伴う恐れがあります。
妊娠中はカフェインを控えた方がいいということは定説になりつつありますが、どんなお茶でも注意は必要です。なにかしら効果があるという謳い文句がある健康茶を飲もうと考えている方は病院に持っていき、産科のお医者さんに確認してもらっておけば安心して飲めますよ。
※センナ茶に似た便秘茶でキャンドルブッシュを使用したものがあります。こちらも腸に強い刺激を与えるなど副作用もあるので使用しないでください。