妊婦は足がつる、こむら返り多発!その原因と予防対策
慣れない運動をした時に足がつるのはよくある事ですが、くつろいでいたのに足がつってしまったり、頻繁に足がつって目が覚めると、どこか体の調子が悪いのかと心配になってしまいますよね。
実は妊娠中は、普段よりも足がつりやすいものなんですが、そのまま放置せずに予防策を行っていきましょう。なぜ妊娠中は足がつりやすいのか、妊娠期間別の原因と予防対策をみていきましょう。
そもそも足がつるってどういう事?
足がつっている時というのは、筋肉が痙攣をおこしている状態です。筋肉が動くのは、脳から筋肉を収縮させるための電気信号が送られてくるからです。何らかの原因で電気信号がうまく伝わらないと、筋肉は暴走し、必要以上に筋肉が収縮してしまい、痙攣をおこしてしまうんですね。
急に動いた時、激しい運動をした時、長時間同じ姿勢を保っていた時、体内の電解質(イオン)のバランスが乱れている時、冷えた時などには、足がつりやすいと言われています。筋肉疲労時には筋肉もデリケートになっていて、普通の電気信号でも過剰に反応してしまいます。
電解質はナトリウムやカリウムなどのミネラルで、体内で神経や筋肉の働きを助ける作用があります。同じ姿勢を続けていた時や冷えている時には、血液の流れが悪くなるため必要な栄養が体に行き届かず、足がつりやすくなるんです。
妊娠初期に足がつる原因と対策は?
妊娠初期によく足がつる方は、プロゲステロンの分泌量の増加やつわりによる電解質の過不足を疑いましょう。多くても少なすぎてもよくありません。
妊娠中には流産を防ぐために黄体ホルモンであるプロゲステロンが多く分泌されています。このプロゲステロンは体に水分を溜め込む性質があるため、電解質の濃度が下がってしまいがちです。
食欲がない時には、食事量の低下からミネラル不足になり、電解質も不足しやすくなります。つわりが激しい時には、体は軽い脱水症状を起こしてしまい、水分不足から電解質の濃度が高くなってしまいがちです。
むくみが多い、疲れやすい
ぬるめの湯船にゆったりと浸かり、足先からふくらはぎを優しくマッサージしてみましょう。
つわりが酷くて食欲がない
バランス栄養食や栄養補助食品、ポカリスウェットなどスポーツドリンクを活用してみましょう。
妊娠中期〜後期に足のつりが増えるのはなぜ?
お腹が急激に大きくなってくる、妊娠中期、後期に足がつることが多くなるのは、主に筋肉疲労と血行不良が原因です。激しい運動なんてしていないのに筋肉疲労だなんてちょっと不思議な気もしますが、徐々に増えてくる体重が体に与える影響はかなりのものです。
個人差のあるものですが、妊娠8か月になると、胎児1,100g、羊水300g、胎盤300gで合計1,700gになります。出産間際では、胎児3,000g、羊水500g、胎盤500gの4,000gです。
1.7kgなんてたいした重さじゃないと思うかも知れませんが、24時間常にお腹に抱えているんです。しかも、食べ悪阻だったり、運動不足の場合は体重がもっと増えていることがあります。私の周りでは最高で出産前までに27キロも太ってしまった人もいました。
そこまで太ってしまうことは珍しいですが、体重が数か月の間にどんどん増えてくるので、当然足の筋肉にも負担がかかりますし、大きなお腹に圧迫され、血流も悪くなってしまいます。
血行促進の運動と筋肉疲労の予防が大事
体型も変化してきて動きにくいこともあり、運動不足になりがちな時期ですが、血行を良くするためにも簡単な運動を行うようにしましょう。おすすめはウォーキングとストレッチ運動です。
長時間は行わなくてもいいので週に何度が回数を決めて、気楽に運動をする習慣をつけましょう。筋肉低下を予防することにもなり出産時にも好影響です。
また、筋肉疲労の予防になる栄養素、ビタミンB1を多く含む豚肉や乳製品、タウリンを多く含む貝類、イカ、魚の血合いなどを意識して摂るようにするといいでしょう。また、冷え性改善や血流改善のためには、ビタミンEを多く含むナッツ類もオススメですよ。
たかが足のつりだと軽視しないで
妊婦はもともと足がつりやすいものですし、どうせすぐに治まるからと放置するのは止めましょう。妊娠初期の電解質の減り過ぎは、胎児の脳や体の発育に影響を与えます。足がつったときにはミネラル、電解質が減っているサインなどでちゃんと補給するようにしてくださいね。
また、足のつりが夜間に起こる場合は快眠を妨げられていると、ストレスや睡眠不足の原因となります。ストレスや睡眠不足は、ママにも赤ちゃんにも嬉しいものではありませんよね。
稀ではありますが、足のつりは病気が原因で起こることもあるんです。脳梗塞や心筋梗塞、ヘルニア、糖尿病も足がつりやすい疾患ですので、おかしいと思った時には、医師に相談するようにしましょう。
ただでさえ不安定な気持ちになりやすい妊娠中ですから、余計な不安は抱え込まずに済むよう「足のつり」も適切に対策していきましょう。