ラックビーは妊婦の便秘に飲んでもOK?ビオフェルミンとの違いは?
病院で処方された薬でも、妊娠中に飲むのは抵抗がありますよね。妊婦だと知りつつ処方される以上は、母子ともに安全な薬だろうとは思っても、やっぱり効能や副作用は気になるところです。
妊娠中の下痢や便秘改善に処方されることの多いラックビーとは、いったいどんなお薬なのでしょうか。
ラックビーの正体はビフィズス菌
薬が効くのは薬効があるからですが、薬効があるがゆえに副作用もあり、妊婦さんには使えない薬が多いんですよね。ラックビーの主成分はビフィズス菌です。ビフィズス菌はもともと人の体内にあり、腸内の善玉菌の99.9%はビフィズス菌なんですよ。
善玉菌が減り過ぎていたり、悪玉菌が増えすぎていると、便秘や下痢を起こしやすくなります。ラックビーは腸内の善玉菌を増やす事でお通じの不具合を改善させるので、妊婦でも安心して服用できるんですね。
早い方では服用から6時間ほどで腸まで届き、72時間後には腸内環境の改善効果が得られます。体質によっては腹部の張り、発疹、大量摂取による下痢が起こる可能性がありますが、重篤な副作用は報告されていません。
ビフィズス菌とお通じの関係は?
善玉菌の9割以上を占めるビフィズス菌ですが、善玉菌そのものの数が減ってしまえばビフィズス菌の量も減り、腸内は悪玉菌だらけになってしまいます。
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌と呼ばれる細菌類が存在しています。悪玉菌とは、クロストリジウムやブドウ球菌のような、腸の内容物を腐敗させる作用のある細菌類です。
腸内に腐敗菌が多く生息していると、お腹にガスが溜まってしまったり、腸の動きが悪くなり、便秘や下痢といったお通じトラブルを起こしやすくなるんです。
日和見菌とは、腸内環境が良いときには良い方に、悪い時には悪い方に味方する性質のある細菌類です。ビフィズス菌は腸内で糖を分解し、乳酸や酢酸を生成することで腸内のpH値を整え、悪玉菌の生息しにくい環境を作ります。
善玉菌の大半を占めるビフィズス菌を補う事で、腸内の細菌バランスを整え、善玉を優位にさせることが出来るんですね。
ラックビーの種類による違い
妊婦に処方されるのは、ラックビー錠かラックビー顆粒Nのどちらかです。耐性乳酸菌を含むラックビーRというものも存在しますが、こちらは殺菌作用のある抗生物質と同時に処方されるものなので、妊婦に処方されることは滅多にありません。
耐性乳酸菌とは、一般的な乳酸菌よりも抗生物質に強く、同時に服用しても生存率の高い乳酸菌です。
ラックビー錠の特徴
白くて軽い甘味のある錠剤で、1回1〜2錠を1日3回、食後に服用します。
1錠(1g)あたり、ビフィズス菌が10mg含まれています。
ラックビー顆粒Nの特徴
白くて軽い甘味のある粉末で、1回1〜2gを1日3回、食後に服用します。
1gあたり、ビフィズス菌が40mg含まれています。
ラックビーRの特徴
白くて軽い甘味のある粉末で、1回1gを1日3回、出来れば食後に服用します。
1gあたり、耐性乳酸菌が10mg含まれています。
市販のビオフェルミンと何が違うの?
ラックビーの主成分がビフィズス菌なら、薬局でも買えるビフィズス菌製剤でも良さそうだと思いますか?ビフィズス菌を使った整腸剤では、ビオフェルミンが有名ですよね。
ビオフェルミンは1日9錠で、ビフィズス菌は18mgです。ラックビー錠は1日3錠でビフィズス菌は30g、ラックビー顆粒Nなら、1回1包でも120mgも摂取する事ができるんです。
ちなみにラックビーの薬価は1gあたり6.2円、1日3gで7日分処方されても、自己負担が3割なら40円くらいで入手できますね。
ビフィズス菌は便秘や下痢の予防と改善に役立つばかりか、アレルギー症状の緩和、風邪やインフルエンザの予防効果、ビタミンB、葉酸、ビタミンKを生産する能力まであるんです。ラックビーは薬を飲めない妊婦さんに、大変便利なアイテムなんですね。